通常ではありえない家のゴミ屋敷化。
ゴミ屋敷にするかどうかは本人次第。家族が何を言っても、どうしようもない問題ですよね。
しかし悩んでいてもらちがあきませし、放置していると大変です。ゴミ屋敷をどうにかしないと、大きなトラブルになってしまう可能性があるからです。
トラブルになるかもしれない家族のゴミ屋敷、どのような対策をすればいいのでしょうか。
ゴミ屋敷で起きるトラブル
住人の健康トラブル
ゴミ屋敷のゴミからは、さまざまな問題が起きます。
- ゴミの腐敗による悪臭
- ゴミから発生するダニやカビ
- ハエや蚊、ゴキブリ・ウジやねずみ
- ねずみの糞や悪臭、増殖
これらの問題は、ゴミ屋敷の住人の健康トラブルを発生させます。
ホコリやカビが、健康に悪いとご存知ですね。確実に、免疫を低下させると言えるでしょう。
ホコリにはダニだけでなく、悪影響を及ぼす細菌が含まれているとわかっています。またカビの胞子も、多くの病気を引き起こします。
- アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎
- 結膜炎・角膜への影響
- 外耳道真菌症
- 水虫や歯周病
- スポロトリクム症
- 肺アスペルギローマ・侵襲性肺アスペルギルス症
最悪の場合、死に至らしめる可能性だってあるんです。
「ただゴミがあるだけ」ではすみませんね。
ゴミ屋敷による近隣への悪影響とトラブル
たとえゴミ屋敷の状態が家の中だけだとしても、他人は関係ないとは言えません。
上述したようなゴミ屋敷問題で、近隣トラブルが起きてしまうんです。
ニオイは、自分の家の中だけでするものではありませんよね。
「お隣さん、今日はカレーかな。」「煮魚のいいニオイがする。」家の中にいても道を歩いていても、おいしそうな夕食の香りを嗅いだ経験誰でもあるでしょう。
香水や部屋の芳香剤だって同じです。
そこから感じる、不快感や体調不良。スメルハラスメントと言われるものがあるように、ゴミの臭いも例外ではありません。
ゴミ屋敷のゴミが放つ悪臭も、家の外部にまで放たれています。
またハエやゴキブリはもちろん、ねずみの増殖による被害は、とんでもないほど大きなトラブルになります。
ゴミ屋敷だけにとどまらず、近隣住民の健康までも脅かしてしまうんですね。
ゴキブリやねずみの駆除を余儀なくされた近隣、自分の家だけ駆除を行えば解決する問題でもありません。
ゴミ屋敷からの火災トラブル
ゴミ屋敷からの火災も大きな問題です。
ストーブやファンヒーターが原因で、火災になっているのは誰もがご存知でしょう。喫煙はもちろん、電気コードからも発火しますよね。
ゴミが溢れている状態は、ごく普通の家庭より火災になる可能性が上昇します。
ゴミ屋敷からの火災は住人だけではなく、近隣の方の命を奪う危険性も孕んでいます。さらに、損害賠償を請求されればどうなるでしょうか。
家の外にまでゴミが溢れていると、放火のターゲットになる恐れもあります。
ストレスでむしゃくしゃし「目についたものを燃やしたい」という衝動が、放火犯の犯行のきっかけにもなっています。
小学生・中学生の「なんとなくゴミを見たから」という事例もあるくらいです。
ゴミ屋敷のトラブルというだけでは済まされない現実ですね。
ゴミ屋敷の行政執行
ゴミ屋敷問題が深刻化している昨今、行政執行の事例も増加傾向にあります。
近隣からの要請を受けても、行政執行はすぐさま行われるものではありません。
しかし、再三の注意・指導や勧告が行われても改善されない場合、強制的にゴミが撤去される場合があります。
その際に生じるゴミの行政代執行の費用は、大変高額になるおそれがあります。
ゴミ屋敷の片付けで、数十万~百万以上を請求される可能性があるんですね。
納付されない場合は、差し押さえ・強制徴収です。
過去、京都市右京区ではじめてゴミ屋敷の行政執行が行われています。
私道の堆積物が、車いす利用者は通れず避難できない問題も生じていたため、再三指導が行われていました。しかし問題は解決せず、行われた行政執行。
大阪でもごみ屋敷対策の新条例が制定されています。
ゴミ屋敷に住人がいない場合でも、危険がある場合は行政執行の対象に…。
今年2月滋賀高島市では、危険な空き家3棟が初の代執行で解体されています。
家族が亡くなった後のゴミ屋敷も、遺された遺族にとって大きな問題ですね。
家族はなぜゴミ屋敷にするのか?
「ゴミ屋敷にする家族の気持ちがわからない」と悩んでいる方もいるでしょう。
本人は、ゴミ屋敷にするつもりなどない場合がほとんどです。
子どもでさえ、簡単に言うことを聞かせるのは困難なのに、どれだけ注意をしても聞いてくれなくても当然。
ゴミ屋敷になる原因にはさまざまな心理があり、病である可能性も否めません。
その場合は、何を言っても意味さえわからず、改善は無理なんですね。
ゴミ屋敷にしている当人も苦しんでいる可能性だってあります。苦しんでいても、どうにもできない。ゴミ屋敷を改善する以前の問題になりますね。
メンタル的なケアが必要になるでしょう。
詳しくはこちら
ゴミ屋敷になってしまう人の心理とは?物にまみれるほど片付けられない理由
ゴミ屋敷でトラブルが発生する前に対策を!
このようにゴミ屋敷のトラブル・問題は、山積みです。
何らかのトラブルが発生する前に、ゴミ屋敷の片付けをしなければならないでしょう。
もちろんゴミ屋敷にしてしまっている家族の、心の健康も同様です。
心までも不健康・不幸せにするゴミ屋敷。ゴミ屋敷対策か家族の精神的ケアか、どちらが先と優先順位はつけられません。
ただし心の病気は、時間がかかるもの。うつ病で何年も苦しんでいる方がいるように、気長な治療が必要です。
そのため、まずはすぐに対処できるゴミ屋敷改善を考えた方がいいと言えるでしょう。
ゴミ屋敷対策ができれば、心も晴れやかになり、治療にプラスになるかもしれません。
ゴミ屋敷を自力で片付ける方法はこちら