一言でゴミ屋敷と言っても、さまざま。

ゴミ屋敷は、『本当の意味でのゴミ』だけが原因とは言えません。

生ゴミではなく、とにかく物で溢れた部屋にしている両親や子ども。どうにかできないかと悩んでいる方もいるでしょう。

何をどうすればこのようになってしまうのか?部屋の天井にまで、物が積み上がっている状態の家も多く存在します。

使える物で溢れているゴミ屋敷は、『倉庫系のゴミ屋敷』です。

今回は、倉庫系のゴミ屋敷はどういったものか、原因や家族への対処法をご紹介したいと思います。

倉庫系ゴミ屋敷へ悪化させる買い物依存症

必要以上に物を購入し倉庫系ゴミ屋敷にしてしまう方は、買い物依存症である可能性が高いでしょう。

『物が必要での購入』と、『欲しいから購入する』とは別モノ。生活できる範囲外になるまで、物の購入がやめられないのです。

ゴミ屋敷になるまで買い物をする原因

不景気とはいえ、満たされている世の中。常に新しいものが欲しくなるのが、私たち人間です。人が新しい物を購入する時は、物が必要な時・欲しくなった時ですね。

買い物をして人が得られるのは、『快』です。人が『快』を求め『不快感』を避けるのは、本能的なもの。

買い物によって、ストレス発散や安心する状態を求めているんですね。

ただ誰でも必ずセーブしますから、部屋の中を物で溢れさせるまでの状態にはなりません。

それでも繰り返し買い物をし続け、物が溢れる。ゴミ屋敷になっても改善できないまで、悪化していきます。

簡単に言えば、ドーパミンの効果。脳の報酬系の回路の異常です。アルコール依存症・ギャンブル依存症などと同様ですね。

ただし、買い物嗜癖(かいものしへき)とも言われる買い物依存症は、精神疾患には分類されていません。

参考文献:医療法人同和会千葉病院精神科 行動嗜癖
社会医学研究

買い物依存症以外の精神疾患

生活に支障をきたすほどゴミ屋敷になっている場合、買い物依存症だけの問題とは言えません。

倉庫系のゴミ屋敷にする『買い物依存症』の背景には、その他の精神的な病も隠されていると考えられます。

どの程度の散らかり具合が汚いのか・そうでないのか感じ方は異なりますが、ある程度通常範囲のレベルがありますね。

足の踏場がないとしても『歩けないまでの状態』=『ゴミ屋敷』は、通常の範囲を超えているでしょう。

寂しさやストレスからのうつ病・不安障害などが、左右しています。

  • 強迫関連症候群(強迫スペクトラム障害)
  • 全般性不安障害(不安神経症)
  • 適応障害
  • 統合失調症

こちらで解説している『ゴミ屋敷にしてしまう原因の病』です。

物で溢れていなければ安心できない・物を捨てる事に対し恐怖を覚える…など、さまざまな感情が元になっています。

買い物依存症によるゴミ屋敷対処法

家族が買い物依存症で倉庫系ゴミ屋敷にしている場合、物理的・精神的両面からの対処が必要です。

  • 買い物依存症を改善する
  • 部屋が汚い通常範囲を認識させる
  • ゴミ屋敷を片付けて、生活に支障のない状態にする

たとえ買い物依存症が改善しても、通常の汚部屋への概念が変わらなければ、ゴミ屋敷の現状は変わりません。

ゴミ屋敷を片付けても、買い物依存症が改善されなければ、いずれ倉庫系ゴミ屋敷へと戻っていくでしょう。

そのため精神的なケアをする一方で、ゴミ屋敷の状態を改善する必要があります。

買い物依存症への対処法

倉庫系ゴミ屋敷にする買い物依存症克服は、まず『お金が使えない状態』が必要です。

【買い物できなくなる】=【物が増えない】=【ゴミ屋敷にならない】ですね。

  • 必要な分だけのお金しか持たせない
  • カードは持たせない
  • 可能な限り、ネットサーフィンをやめさせる
  • 通販番組を見せないようにする
  • 家計簿をつけさせる
  • 必要なものを認識させる

たとえ本人が買い物依存症だと自覚があっても、使えるお金があるから買ってしまうんですね。

買い物をして『快』を得たいがため『我慢ができない』からこそ、買い物をしてしまいますが、お金がなければできません。

できる範囲は違ってくるでしょうが、可能な限りお金を使えない状態にしましょう。

買い物抑制の代わりの喜びを見つける

『買い物を我慢させる』状態は、余計にストレスを与えてしまいますね。

仮に倉庫系ゴミ屋敷が改善したとしても、溜まったストレスは違った精神疾患へ悪化するリスクもあります。

買い物を我慢するという意識ではなく、何か楽しい行動・嬉しくなる出来事の代わりを考えましょう。

  • 家にあるものを使って、何かを作る
  • 買い物がしたくなったら、友人と話して楽しい時間を過ごす
  • 掃除をしてスッキリした気分を味わう

ストレス発散の方法を考えるんです。

DVDを借りて映画を見たり、散歩をする、趣味を見つけるのもいいでしょう。

買い物の抑制をするのではなく、自発的に他の楽しい何かを行いたいと思うようにしなければなりません。

依存症相談拠点支援センターへの精神相談や、病院でのカウンセリングも同時に行うといいですね。以下に、相談してみてはいかがでしょうか。

ゴミ屋敷・部屋が汚い通常範囲を認識させる

物が溢れている状態を『ゴミ屋敷』だと認識させなければ、汚部屋を改善できません。

ゴミ屋敷を認識させるためには、綺麗な部屋での生活が絶対必須事項です。

倉庫系ゴミ屋敷の片付けをしましょう。片付いた部屋で、綺麗な部屋について少しずつ認識させます。

  • 片付いている部屋で住む居心地の良さ
  • ゴミやほこり・カビのある部屋が、阻害する健康

旅行へ行って、物が溢れている部屋に案内されれば、誰でも不快に感じます。決して、説教するように一度にわからせようとするのではなく、少しずつ気長にです。

心の病は短期間では克服できません。

ゴミ屋敷にしている本人も、苦しみを抱え葛藤している場合だってあると理解しましょう。

倉庫系ゴミ屋敷の実例

過去、当社はあるマンションの倉庫系ゴミ屋敷回収に伺いました。

その倉庫系ゴミ屋敷の原因は、30代兼業主婦の買い物依存症・溜め込み癖です。

給湯器が故障しても業者も呼べない、消防点検も受けられない、我慢にたまりかねた夫からのゴミ回収依頼でした。

10年に渡り注意をしてきたが、いっこうに改善されなかったのだとか。

その倉庫系ゴミ屋敷から出てきた『使えるゴミ』の一例が以下のものです。

  • ヴィトンやエルメスなど同じバックが複数個
  • ダイソンの同じ掃除機が複数台
  • 健康器具が複数台
  • 猫用のトイレペットシーツ数十個
  • 新品の布団が数十枚
  • ツバメの巣の栄養ドリンク数十ケース
  • アムウェイの洗剤セットが数十個
  • トイレットペーパー・サランラップ・などの日用品が数十ケース
  • 鍋・フライパン、包丁などが箱のまま数十個
  • 開けていない新品のお弁当箱・水筒など数百個
  • コップやお皿・スプーンなど数百個
  • テレビやDVDプレイヤー・扇風機・ファンヒーター・電子レンジなどが複数台

これらのような物に合わせ、紙袋・新聞紙・空きパックなどが散乱。使用済みのティッシュでさえ重ねて綺麗に折りたたまれ、収納ボックスに入れられていた状態。

天井まで後数十センチというところまで、さまざまな物が積み上げられていました。

通販で買ったままの新品の箱に入った物は、当然使っていません。販売できるほどの数を揃えた倉庫です。

積み上げられた物で押し付けられた窓ガラスは割れ、染み出した洗剤やドリンクでフローリングは腐っている凄まじい状態でした。

倉庫系ゴミ屋敷の掃除方法

ゴミ屋敷を片付ける際、まず捨てるものを全て処分していきます。

ゴミ屋敷の掃除を自力で行うためのコツ【完璧に片付けする方法】

倉庫系ゴミ屋敷の使える物・新品の物は、分類して残しておき、いずれかの方法で売りましょう。

  • ネットオークションなどで販売する
  • リサイクルショップの一括見積もりに来てもらい販売する

オークション販売はかなりの時間と労力が必要ですので、一括で買取りしてもらった方がいいでしょう。

ゴミ屋敷の掃除は、ゴミと必要なものの分別にかなりの時間を要します。一度でスッキリさせる方法も、検討してみてはいかがでしょうか。

当社『ゴミ屋敷片付け太郎』は、多数のゴミ屋敷回収の経験を積んでおります。

お客さまと確認しながら、必要な物の分別も行わせていただいております。見積もり以上の追加料金は発生しません。見積もりだけのご依頼も受け付けております。

滋賀・京都・大阪、倉庫系のゴミ屋敷のゴミ回収は、ぜひ当社にご相談くださいませ。